「身体が・・・動かない・・・っ!?」 夜の闇の中。2つの巨大な影がある。 地面にへたり込んだ銀色の身体を持つ巨大な少女、ウルトラガールソフィー。 そして、その姿を見下ろす不気味な口、鋭い牙、そしてコウモリのような皮膜が特徴的な宇宙人ドラキュラスだ。 ソフィーは全身が痺れたような感覚に襲われていた。ドラキュラスが吐き出した毒ガスを吸い込んでしまったのだ。 「どうだ?俺のガスの味は。身体が麻痺して立つことも出来まい」 ドラキュラスの言うとおりソフィーの身体は立つことは愚か這うことも出来ないほどに麻痺していた。 動けないことは勿論、一切の触覚まで失われてしまっているようだった。 「くぅっ・・・」 見下ろしてくるドラキュラスを睨みつけなんとか身を起こそうとするも四肢は震えまったく力が入っていないようだ。 「無理をしなくて良い。そんなに立ちたいのなら・・・俺が立たせてやろう」 「あっ!?」 自分の意志では動かない身体が背後から近づいてきた敵に無理やり立たされる。 かなり乱暴に起こされたが麻痺しているせいか痛みはない。 未だ足腰に力は入らずすぐに崩れ落ちそうになるが、手首をつかまれ背中を支えられる形でなんとか立っていた。屈辱的な体勢だ。 ドラキュラスはまず息がかかるほどの距離でソフィーの顔を眺めた後、全身を舐めるように視線をめぐらせる。 ソフィーは麻痺した身体をわずかによじり、反射的に視線を逸らす。戦いの最中に敵から視線を逸らすなどあってはならないことだが ろくに動けない現状では精一杯の抵抗だった。なによりこの恥辱に耐えられなかった。  何に得心を得たのかドラキュラスはふむ、と一度うなり、またも彼女の意志に反して体勢を変える。 先程よりも身体を密着させられ後ろから抱かれるような形だ。 「良い体をしている」 「何を・・・ひっ!?」 ソフィーの言葉は自らの裏返った声に遮られた。反射的に声をあげてしまった。 ドラキュラスの手に胸を、太ももを、全身をまさぐられたのだ。 身体の感覚は麻痺していても不快感と恥辱感までは消えなかった。 「いや、はなして!」 抗議の言葉など聞こえていないというようにドラキュラスはソフィーの全身を弄ぶ。 「嫌なのも今だけだ。すぐに俺のモノにしてやるぞ。ウルトラガール・ソフィー」 「ふざけないで!誰があなたのモノになんて・・・・・・はっ!」 言い切る前にソフィーはドラキュラスがその2本の鋭い牙を向いたのに気づいた。 最も警戒していた攻撃だ。 (噛まれる・・・!!) 動けないソフィーは目を固く閉じ襲ってくるであろう痛みに備えた。じっと耐えるしかないのだ。 ブツッ、と皮膚が破かれ肉を貫かれる。ソフィーの首筋に牙が突き立てられたのだ。 「あぁっ・・・!?」 首筋に走る激痛、そして同時にエネルギーを吸い取られる感覚。  「・・・・・・!?」 だがエネルギーを吸い取られる感覚も痛みも一瞬だった。 代わりに襲ってきた感覚はソフィーが今までに体験したことのないものだった。 「はぁあああああぁっ・・・!?」 悲鳴、というには甘さを孕んだ響き。 「はぁ、はぁ、」(な、に・・・この、感覚・・・?) 呼吸が乱れ、全身から汗が吹き出し、足腰がガクガクと震える。なぜあんな声をあげたのか、ソフィーは理解できなかった。 それに全身が麻痺していたはずが今では同じ痺れでもビリビリと、むしろ敏感になったように感じた。 しかし一つ明らかなことは、その感覚は決して苦痛ではなかった。 「ククク、なかなかよい声で鳴くのだなソフィー」 耳元でささやかれるドラキュラスの声。 全身を襲った未経験の感覚に困惑しながらも、その感覚に身を委ねてしまいそうになっていたソフィーがはっと我に返る。 「なに、を、あっ!?、何をした・・・ひうっ!?」 言葉を発しようとするもドラキュラスに身体を揉まれたり撫でられたりするたびに反射的に間抜けな声をあげてしまう。 (なに、これ・・・。触られてるところが、ぞくぞくして・・・) 「ん?何かな?はっきりと喋りたまえ」 「くっ、うぅんっ!・・・」 ドラキュラスに触られている部分が、まるで電流が走ったような、それでいてどこか甘い痺れに襲われる。 「わた、しに・・・私に何をしたの・・・!?」 歯を食いしばりその感覚をこらえ、ようやく声が言葉になる。 だが、答えはすぐに返ってこなかった。ドラキュラスは一瞬不思議そうな表情をしたが、 「おや?まさか・・・」 と続けその表情は醜悪な、いやらしい笑みに変わっていった。そして、 「ひぃいいいいいいっ・・・!?」 ソフィーが絞りだすような声を上げる。 不快感から出た声だったのだろうが、やはり先程と同様甘さを含んだ、嬌声と呼べる声だった。 ソフィーの首筋に牙を突き立てたままドラキュラスが彼女の首筋に舌を這わせたのだ。 「はぁ、はぁ・・・」(なに・・・なんなの、これ?) がっくりとうなだれるようにうつむくソフィー。味わったことのない感覚に彼女の精神力は確実に削り取られている様子だった。 「やはりそうか・・・」 ソフィーの首筋から舐めとった血を咀嚼するように味わい、 「ククク、まさか、こんな身体を持ちながら生娘であったとはな」 「な・・・?」 確かに自分には性交渉の経験はない。だがそれがどうしたのか、ソフィーにはわからなかった。 「どういう、くぅううう・・・!?」(また・・・!?) ドラキュラスはソフィーの腹や太ももに優しく爪を立て撫で回した。そしてそのまま話を進める。 「俺に噛まれた者はその瞬間性的快楽を得るという」 「性・・・的・・・?」 乱れる呼吸と漏れそうになる嬌声を抑え虚ろな瞳をドラキュラスに向ける。 「快楽によって抵抗する意志を失わせゆっくりと血とエネルギーを味わう。しかし、生娘の貴様には覚えのない感覚であったようだな」 (じゃあ・・・この感覚は・・・) 「嘘よ、だったら・・・」 だったら、これほど不快なわけが、屈辱的なわけがない。それも敵の手によってなど。 「嘘だと思うなら、その胸のランプの色はなんだ?ん?」 「・・・・・・!?」 ソフィーが胸のカラータイマーに視線を落とすと、カラータイマーはわずかだが桃色の光を発していた。 性交渉の準備ができつつある状態を示していた。 「そん・・・な・・・」 こんな敵勢異星人相手に、身をゆだねようと、身体を開こうとしているなんて。信じられなかった。 「さぁ、さっさと俺にその身をゆだねてしまえ」    「ふざけないで!こんな無理やり・・・あんっ!」 ドラキュラスの全身への愛撫が更に激しくなる。 「無理矢理だと?抵抗したいなら抵抗すれば良かろう。もう毒は抜けているはずだぞ?」 「・・・・・・え?」 確かに、さっきまでは触られても何も感じなかったがいまでは触れられているのを感じている。 噛まれた時にも痛みがあった。身体の感覚は、むしろ敏感になっている。 足腰はには力が入らないが毒ガスで麻痺していた時とはちがう。確かに地についているという感覚がある。 恐る恐る拳に力を込め握って開いてを繰り返す。確信した。もう麻痺毒は抜けている。 同時に絶望感に襲われた。 (そんな・・・心まで、支配されて・・・?) 初めての性的快楽はソフィーにとって絶大な威力となった。言葉と心の表層では抵抗していたものの、いつの間にか抵抗する力も、意志すらも奪われ、身を委ねてしまっていたのだ。この醜い異星人に。 「はぅううううう・・・!?」 絶望感に苛まれていたソフィーの意識を引き戻したのはやはりドラキュラスの手荒い愛撫だった。 右の乳房を鷲掴みに、揉みしだかれる。襲ってくる快感にどう抗えば良いのか、ソフィーにはわからなかった。 「さぁ、良いのだぞ。抵抗してみせろ。貴様の意志を見せてみろ!」 「はなし、て、あぁっ!いやぁ・・・!、はなしてぇ!!」 ソフィーは思い切り身をよじり逃れようとする、が実際には抑えられていない下半身がふるふると揺れているだけだった。 「んっ!・・・ああああああぁっ・・・・!!」 揉みしだかれていた胸にドラキュラスが更に爪を立てる。 浅く皮膚を裂かれ血が流れるが今はその痛みすら心地よかった。快感に変わっていた。  「・・・・・・っ!!」(いやっ、いやっ、いやっ!!) ソフィーの唇から血が流れる。襲い来る快感に抗おうと唇を噛みひたすら耐える。必死の、今できる最大限の抵抗だった。 だが、ソフィーの身体はもはや快感に支配されていた。カラータイマーは先程より強く桃色の光を発していた。 「ククク、あとひと押しか?決して望まぬ相手に身体を開かぬという光の国の乙女の身体が堕ちるのも、時間の問題か?」 「やめ、いや、もう、やめて、はなし・・・て・・・」(いや、このままじゃ・・・おかしくなる・・・) 身体を撫で回され、揉まれ、爪を立てられ、首筋を舌が這う。 何度も何度も、快楽に意識が完全に飲まれそうになる。既に桃色の光を発しているカラータイマーが更に激しい光の明滅を繰り返している。 「どうだ?門は開かれたか?この位置からでは見えないのでな、確かめさせてもらおうか。ククク」 右手では相変わらずソフィーの乳房を鷲掴みにしたまま、もう一方の手をソフィーの股間に伸ばしていく。 「いやっ、やめ、やめ・・・て・・・」 かすれるような声、そして同様に腕を軽く押し当てるだけのあまりにも弱々しい抵抗。 「やめ・・・やめ・・・、はな・・・」 股間に触れようとするドラキュラスの手を左腕で押しのけ右手で払おうとする。 が、身体がそれを拒んでいる。腕に力は入っておらず、右手もドラキュラスの手に添えられるだけだ。 貞操の危機であることは勿論、こうしている間にもどんどんエネルギーが吸いだされているというのに。 そしてついにソフィーの赤いラインの入った恥丘にドラキュラスの中指と薬指が触れ、爪を立てる。瞬間、 「はなせええええええ・・・・・・っ!!」 ソフィーらしくない荒い語気。かつてない危機と初めての性的快感。 抵抗する心の表層に対し、すでに快楽に身を委ねてしまっている身体と深層心理。彼女の心は崩壊しかけていた。 だが、身体の抵抗はなかった。その叫びを最後に事切れたように その身を完全にドラキュラスに預けるように彼女のじっとりと汗ばみ月明かりに照らされた身体からは完全に力が抜けていた。 もう抵抗の言葉も発せられない。瞳からはずっと溜まっていた涙が溢れるように流れ落ちた。 ガクガクと震える膝と荒い呼吸に上下する胸と肩だけが動いている。 「ククク、なんだ、すでに愛液でまみれているではないか。ん?」 そんな吸血鬼の言葉も、快楽の奔流に飲み込まれ意識が朦朧としているのか、銀色の巨大な少女の耳には届いていない様子だった。 「誰・・・か、たす・・・けて・・・」